緊急事態宣言前最後の落語現地鑑賞(2021.04.24)
本日、新型コロナウイルス感染症拡大にかかる緊急事態宣言が大阪府を含む4都府県に発令されました。
大阪府では昨年から3度目の発令となります。
今回はイベント・スポーツは原則として無観客開催とすることを求められています。
大阪の常打ちの寄席である天満天神繁昌亭も、今日からの全公演が休止となりました。
昨日、チケットを購入していた落語会に二つ行ってきました。
繁昌亭朝席の「かい枝ひとり会」と、動楽亭での「米團治研鑽の会」です。
緊急事態宣言前の最後の落語会ということもあり、演者さんもいつも以上に強い思いを持って演じられているように感じました。
繁昌亭での「かい枝ひとり会」では、お客もこれが特別な会であるという気持ちからでしょう、かい枝師匠が高座の座布団に座られてからも拍手が鳴り止まず、それは師匠が制止するまで続きました。
かい枝師匠は笑顔で「何ですかこのヤケクソな感じ(笑)」と、場内の爆笑を誘いましたが、まさに高座と客席の思いが一体となっていることが実感できる特別な体験でした。
動楽亭での「米團治研鑽の会」では、米團治師匠が大ネタの「百年目」と「たちぎれ線香」の2本を熱演。
「百年目」は予告されていた演目でしたが、2本目が「たちぎれ」ということに驚きました。
米團治師匠は「コロナ禍で無観客で落語をすることもある中で、こうしてお客さんの前で演じられるのは嬉しいこと」だと語っておられました。
2演目とも涙を誘われる、忘れることのできない会になりました。
今回の緊急事態宣言は今のところ5月11日までとなっています。
いつでも生の落語で大笑いできる日が早く戻ってくることを祈ります。
かい枝ひとり会二〇二一 四月席(天満天神繁昌亭)
桂かい枝「恋するオトメ」
笑福亭喬介「七度狐」
桂かい枝「京の茶漬」
桂かい枝「どうらんの幸助」
第三十六回 米團治研鑽の会
桂慶治朗「四人ぐせ」
桂米團治「百年目」
桂米輝「寿司屋兄弟」
桂米團治「たちぎれ線香」