長野久義

今夜、東京ドームで読売ジャイアンツの長野久義選手の引退試合が行われる。
2019年からの4年間はカープの選手としてプレーされていた長野さん。
プロ入り時の経緯から考えると、カープからFA移籍した丸佳浩選手の人的補償に指名された時、プロテクト枠から外されていた事実は悔しかったと思う。
でも恨みがましいことは言わず、「三連覇中の強いカープに選ばれて光栄」とコメントして広島に来てくれて本当にありがたかった。
カープでも、野球に取り組む姿勢や人柄で、選手にもファンにも愛される存在だった。
できることならカープで優勝して欲しかった。
2022年のオフにジャイアンツに無償トレードで復帰することが発表された時は悲しかったけど、プロのキャリアをスタートさせたチームでこうしてユニフォームを脱ぐことが、長野さんの野球人生に関して言えば恐らく最も美しい結末だったんだろうと思う。
これで良かったんや……。
長野さん、現役生活お疲れ様でした。
カープのために戦っていただきありがとうございました。
西加奈子「きりこについて」
基本的に本は紙で読みたい族なのだが、大阪に引っ越してきてから自宅の収納スペースの限界値が極端に低いので、やむなく電子書籍で購入することも多い。
新刊は極力電子版を買うことにしているものの、古書店に行くと100円コーナー等があるので、安さに負けて紙の本も買ってしまう。
長期的に考えてスペースの圧迫と安さがコスト的に釣り合っているかと言うと恐らく答えは否である。
目先の安さにつられるのが完全に貧民の発想。
私の2026年の目標の一つは、「山脈を成している積ん読の山を切り崩す」である。
物理的な山、紙の本の積ん読を何とかしようと思う。
尚、読み終わった本も売らずに持ち続ける族なので、読み終わったとて自宅内の収納スペースに変化はない。
文庫本の薄いものから行こうと、手に取ったのが西加奈子さんの「きりこについて」。
現実が見えていない両親に育てられた自己中心的な主人公とルッキズムに関する描写で中盤までなかなかしんどい展開だが、最後には登場人物達が成長して肯定的な姿が描かれる。
西さんの作品らしい読後感。
「西さんて猫が好きな人なんやろなぁ」と思っていたが、この本の巻末の解説によると、愛猫が死んだ時のやるせない想いがこの「きりこについて」という作品を書く原動力となったらしい。
作品の書き出しと最後が夏目漱石の「吾輩は猫である」へのオマージュになっている(と思う)。
引き続き、薄いものから読んでいきます。
2025年の振り返り
2025年がまもなく終わる。
なかなか濃い1年だった。
大阪・関西万博開催。
元々興味はなかったのに、行った知り合いの感想を聞いていると「これは俺好みのイベントかもしれない」と思って一度行ったらすぐさまハマって通期パスホルダーに。
13回行ったけど、もっと行っとけば良かったなぁと今も思う。
映画 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の公開40周年。
シリーズ累計で100回は軽く超えるほど観ている。
IMAX版と4DX版が映画館で記念上映されたので観に行った。
「2」と「3」は公開時に観に行ったけど、一作目を映画館で鑑賞するのは初めてだった。
リアルタイムで観ていたと思われる人や若いファンと一緒に観られるというライブ感が嬉しい。
そして、公開40周年記念のBlu-rayのボックスセットをまた買ってしまった。
35周年の時もそうだったのだが、なぜか4K Ultra HDという規格のディスクと抱き合わせになっている。
今回の2セットが追加されたことで、私が所有しているのがVHS、LD、DVDを含めて10セットになった。
記念エディションが出るたびに死ぬまで買い続けなければならない者の身にもなって欲しい。
落語教室で指導していただいている月亭天使師匠は芸歴15周年。
繁昌亭昼席で1週間トリを取られたり、15日間連続の会をされたりと、記念の落語会も多く、楽しませていただいた。
今年もたくさん学ばせていただき感謝。
私が通っている落語教室は和奏伎(わかなぎ)という稽古屋に属している。
和奏伎の和楽器系の教室の演奏会が毎年5月に行われており、そこでの落語のコーナーに落語教室代表で出演させていただいた。
約800人のお客様の前で落語をするという稀有な機会だった。
自分で書いた落語を演じたのだが、自作の落語をやるのもハメモノ(三味線や太鼓等の演出)入りの演目をやるのも初めてのチャレンジだった。
ようあんなことやらせてくれたなぁと思う(笑)。
落語教室のお仲間とキングオブコントに出場。
落語は1人でする芸だが、コントのように複数人でやるというのは稽古も本番も勝手が違う。
1回戦敗退だったが良い経験をさせてもらった。
落語教室の天使師匠が本番を観に来て下さって感激。
大阪府池田市で毎年開催されている社会人落語日本一決定戦に今年も出場。
これも予選敗退だったが、学びの多い機会でありがたい。
来年はもう少しマシな芸ができるようになってまた挑戦したい。
アマチュア落語のグループ、じゅげむKOBEに加入させていただいた。
落語を聴いていただける機会が増えて本当にありがたい。
メンバーの皆さんがめちゃくちゃ愉快な人達で楽しい。
桂米朝師匠生誕百周年。
二十数年前、テレビで観た米朝師匠の「百年目」という演目に感動して落語を聴き始めた。
私が落語をする時に名乗っている桜呑家蒼社(さくらのみや・そうじゃ)という名前の桜呑家は「百年目」にも登場する桜宮という地名から拝借している。
百周年の最後も「百年目」を拝聴します。
私にとっての神はこの世に5人いる。
ジョージ・マーティンも神やろがいとか言い始めると話が長くなるので便宜上ビートルズのメンバーということにしている。
今年はアウトテイクやライブ音源等を集めた「アンソロジー」シリーズの新盤が29年ぶりに発売された。
ちょろいファンなので、過去の1〜3も含めたボックスセットを購入。
年々技術革新が進んで、より良い音になりましたよ的な物がちょいちょい出る。
本来は音の良し悪しは別にしてオリジナルの音こそがその当時の技術の中で生み出された最高のものであるはずで、リアタイ勢が聴いていたものもそれであり正義ではないのかと思わないこともない。
ましてや当事者でもない人間がミックスを変えるとか無しやろと思うのだが、まあ買うんですよ、ちょろいファンなんでね。
新しいのが出るたびに死ぬまで買い続けなければならない者の身にもなって欲しい。
中学時代からの推しである永井真理子さんが6年ぶりにオリジナルアルバムをリリース。
今も新しい音楽を届けていただけて感謝。
来年はライブ行きたい。
我が推しサッカークラブのFC今治は初めてJ2リーグに挑んだシーズンだった。
シーズン終盤までJ1昇格争いに絡む健闘を見せてくれた。
人口15万人程度の今治市でプロのスポーツチームが運営されていること自体が信じがたいことなのだが、夢のJ1の舞台も手が届くところにあると実感する戦いぶりだった。
J2には関西のチームがないので大阪在住のサポーターとしては寂しい。
来シーズンはJ1昇格を現実のものとして欲しい。
今年も1年、ありがとうございました。
2026年もよろしくお願い致します。
いつも学びを下さる皆様に、何か恩返しらしいことができるよう精進したいと思います。
「リンダ リンダ リンダ」
「リンダ リンダ リンダ 4K」を映画館で鑑賞。
オリジナルの公開から20年。
2005年版はDVDを持っているので何度も観ているが、劇場で観るのは初めてだった。
淡々と進む物語。
熱血系でもなく、リア充感も特に感じさせない。
私のような陰キャが共感できる作品だなと改めて思った。
昭和が終わって迎えた時代、平成っぽい。
というか、バンドってこんな感じだよね。
ラストのライブのシーンに感涙。
しかし本来、涙を流すような話ではなかったはずなのである。
今までDVDで観てきて、泣きながら観たことはなかった。
それが今回は最後のライブシーンは涙なくして観られなかった。
歳を重ねると感性が変わってくるものだと実感する。
この作品の好きなシーンを挙げる。
主人公のソンが、ライブ前夜に文化祭仕様になった校内を歩く場面。
無人の体育館のステージに立って、メンバーへの想いを叫ぶ。
このシーンがあればこそ、日本語の台詞は少なくともペ・ドゥナさん演じるソンが紛れもなく主人公であると言える。
そしてその夜、バンドのメンバーが学校の軽音部の部室で音を出して練習しているシーンが熱い。
前日の夜は、夜中に大きな音を出していることを学校の先生に咎められることを恐れてこそこそ練習していた彼女達。
翌日、仲違いして抜けたメンバーが先生からの「遠慮せずに練習しろと言っておいてくれ」という言葉をちゃんと伝言したのだろうということが、描かれてはいないものの察せられる。
劇中でザ・ブルーハーツの曲をコピーする主人公達のバンドの名はパーランマウム。
台詞で語られることはないが、パーランマウムとは、ボーカルを務めるソンの母国である韓国の言葉で、「青き心」を意味する。
青き心、つまりブルーハーツ、である。
パーランマウムが演奏する「終わらない歌」のシーンで、映画は幕を閉じる。
続いてザ・ブルーハーツの「終わらない歌」をバックにエンドロール。
言うまでもなく、ブルーハーツの演奏は桁が違う。
しかし、結成数日のパーランマウムの「終わらない歌」も完全無欠のロック。
ブルーハーツの楽曲が偉大であると同時に、「リンダ リンダ リンダ」という映画が、令和の時代に至っても最高の作品であることを再認識する。
二つ折りの携帯やMDが、もはや絶滅しかけていようとも。
今になって劇場で鑑賞する機会をもらえたことに感謝するばかり。
遥かなる平成。
初出場の社会人落語日本一決定戦

初めて事前審査を通過して出場した社会人落語日本一決定戦が終わった。
現地に来ていただいた皆様、SNS他で励ましの言葉を下さった皆様、ありがとうございました。
結果は予選敗退。
決勝の舞台、アゼリアホールへの壁は高かった。
そんなに簡単なものではないのはわかっていたことである。
無念ではあるしミスもあったが、持ち時間の10分間で持てるものは出し切ったと思う。
とにかく何もかも足りない、稽古も全然足りていないということを痛感した。
これから精進あるのみ。
普段は落語教室の発表会以外で落語を披露する機会があまりなく、特に大部分のオーディエンスが私のことを知らないという環境での高座は非常に貴重な経験になった。
この日のお客様はとても温かく、よく笑って下さって本当にありがたかった。
今大会の出場者は約150人。
社会人落語をやっている人達がこんなにたくさんいるのだということを実感できたし、大いに刺激になった。
一昨年、昨年と、2年続けて事前審査に通らず、観客として本戦を観に行って、出演者の人達が首から下げているバックステージパスが輝いて見えてめちゃくちゃ羨ましかった。
今年ようやくこれを手にすることができた。
とにかく一歩先に進んだ2024年。
また来年。
ターナー島と蛸の松


昨日、大阪中之島美術館で開催中のテート美術館展へ行ってきた。
今回は光をテーマにした特別展。
前半は印象派を始めとする絵画が並び、中盤から現代アートが中心となる構成だった。
近年、日本でも写真撮影OKの展覧会が増えてきて、このテート美術館展でも一部の作品は撮影が許可されている。
外国人客が増加している影響もあるのだろうか。
画像をネットで見られるから美術館へは行かなくても良い、ということにはならないと思うし、逆にSNSで拡散されれば興味を持つ人もいるので、撮影を解禁していくのは今の時代こそ良いことかもしれない。
客側のマナーはしっかりしないといけないとは思うけど。



さて、このテート美術館展ではウィリアム・ターナーの作品がプッシュされている。
ターナーは夏目漱石の「坊っちゃん」にもその名が登場する画家である。
赤シャツと野だいこが舟から見える松の生えた小島を「ターナーの絵にありそう」ということで「ターナー島」と名付けるというくだりがある。
愛媛県松山市の四十島という島がターナー島のモデルとされている。
四十島の松は1970年代にマツクイムシに蝕まれて枯死したが、現在では植樹により再び松の緑が美しい島となっている。
ターナーを鑑賞した後、大阪中之島美術館を出て堂島川を渡り対岸へ。
ここに蛸の松と呼ばれる松がある。
枝ぶりが蛸のようであることからそう名付けられたという。
古典落語の「次の御用日」にも名前が出てくるなど、かつては中之島のシンボル的な木だったらしい。
明治末期に枯れてしまったオリジナルは堂島川の向かい側、つまり現在の大阪中之島美術館付近にあった。
現在のものは今世紀に入ってから植えられた二代目である。


同じような来歴を持つターナー島と蛸の松。
テート美術館展の後は蛸の松も見に行かれてはいかがでしょうか。
美術や芸能もそうだが、こうして古いものを残したり復活させたりということ自体に感動がある。

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