群青色の時間

遥かなるマスター・オブ・ライフ<人生の達人>への道

積ん読書屋管理簿

相沢沙呼「medium 霊媒探偵城塚翡翠」

【ネタバレあり】 相沢沙呼氏によるミステリ小説。2022年には清原果耶さんの主演で実写ドラマ化もされた作品である。 霊媒の力を持つ城塚翡翠と、彼女のその能力を駆使する作家・香月史郎が、殺人事件の謎に挑む物語。「超能力的な力が使えるなら何でもあり…

うちの師匠はしっぽがない落語会

先週末の9月4日、天満天神繁昌亭で開催された「うちの師匠はしっぽがない落語会」に行ってきました。TNSKさんによる漫画「うちの師匠はしっぽがない」(略称「しっぽな」)にちなんだ落語会です。 入場前に繁昌亭すぐそばの天神さん(大阪天満宮)にお参りし…

長田悠幸、町田一八「SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん 第17巻」

【ネタバレあり】 「SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん」の17巻が本日発売されました。電子書籍だと真夜中に日が変わってすぐにダウンロードして読めるので夜更かし不可避です。 前巻でバンドからの脱退を宣言した本田紫織がニューヨークに到…

長田悠幸、町田一八「SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん 第16巻」

【ネタバレあり】 「SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん」の16巻が先週2月25日にリリースされました。このブログでも何度も紹介していますが、近年では個人的に一押しの漫画。脳内に音が聞こえるバンド漫画です。しかも爆音で。 この16巻で、つ…

司馬遼太郎「竜馬がゆく」

坂本龍馬を題材にした小説は数あれど、やはり司馬遼太郎の「竜馬がゆく」が白眉であり金字塔と言えるでしょう。坂本龍馬という人物はもはやある意味、架空のキャラクターに近いものとなって崇拝されている感がありますが、それが形作られたことについてはこ…

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~」

【若干のネタバレあり】 ちょっと時間が経ってしまいましたが、「ビブリア古書堂」シリーズの最新刊がこの夏に出版されたので読みました。 このシリーズを読むようになったきっかけは剛力彩芽さん主演のテレビドラマでした。特に剛力さんのファンというわけ…

能田達規「レディース!」

我が愛媛が誇るサッカー漫画家、能田達規先生による女子サッカー漫画「レディース!」がネット連載されています。能田先生の代表作には数多くのサッカー漫画がありますが、これまでもご自身の出身地である愛媛県に本拠地を置くサッカークラブを描いた漫画も…

大童澄瞳「映像研には手を出すな! 第1~5巻」

【若干のネタバレあり】 NHKで放送中のアニメ「映像研には手を出すな!」の原作漫画です。 芝浜高校という謎めいた増改築が繰り返された学校を舞台に、映像研究同好会を立ち上げてアニメ制作に取り組む女子高生達を描いています。 時代設定は2050年代とのこ…

西加奈子「こうふく みどりの」「こうふく あかの」

2月9日に大阪城ホールに新日本プロレスを観に行きます。プロレスの知識はほとんどないに等しいのですが、熱烈なカープファンとして知られる内藤哲也選手の試合を一度観たいと思っていました。以前、フジロックフェスティバルで夜中にプロレス団体が特設のリ…

長田悠幸、町田一八「SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん 第14巻」

1週間の間に何回同じ漫画の話書くんやと言われそうですがまた書きますよ(笑)。 本日、「SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん 第14巻」が発売されました。 明後日25日(土)に、大阪のアートギャラリー「大阪谷六虜」で行われる長田悠幸さんと…

長田悠幸、町田一八「SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん 第1~13巻」

この漫画は、数年前にビレッジバンガードで推されているのを見て知った作品です。 【以下ネタバレあり】 地味で影が薄い女性高校教師・本田紫織の一家は、紫織の兄の丈二がバンド活動をする中で音楽業界の人間を名乗る人物に騙され借金を背負わされて失踪し…

アーサー・コナン・ドイル「四つの署名」

シャーロック・ホームズ・シリーズは4つの長編と56の短編の計60作から成り、これらは「聖典」と呼ばれています。大学時代に一通り読んだのですが、子供の頃に児童書等で読んだ作品を別にすれば、長編の「四つの署名」が初めて読んだホームズものです。 「四…

青木祐子「これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~」

NHK総合で金曜夜10時からのドラマ10という枠で放送中の「これは経費で落ちません!」を毎週観ています。ドラマ10では今年の1~3月に放送された「トクサツガガガ」が素晴らしい作品でした。NHK、大河ドラマや連続テレビ小説だけじゃないですねー。 ある企業の…

兵藤秀子(前畑秀子)「前畑ガンバレ」「勇気、涙、そして愛 前畑は二度がんばりました」

<ドラマ「いだてん」のネタバレ(?)あり> NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」、今は1932年のロサンゼルス五輪の真っ最中です。ここからは日本人女性初の金メダリストである前畑秀子の物語が描かれていくと思われます。 このお盆休みに実家…

こうの史代「この世界の片隅に(全3巻)」

<若干のネタバレあり> 今年も8月がやってきました。 「この世界の片隅に」は、戦時中の広島から呉のある家に嫁いだ主人公と、市井の人達の日常を描いた作品です。こうの史代さんが「漫画アクション」で2007年から約2年間連載されていました。 映画化された…

丹羽庭「トクサツガガガ 16集」 feat. 天神橋筋商店街

NHKの実写ドラマが大好評を博した「トクサツガガガ」。ブルーレイとDVDも発売されることになりました。いやー、本当にありがとうございます!無論予約済みです! 丹羽庭さんによる原作の漫画は、先日単行本16集が発売されました。ちなみに、「丹羽庭」で「た…

北村薫「夜の蟬」

北村薫さんの「円紫さんと私」シリーズ。作中で名前の明かされない主人公「私」が語るという形で綴られています。所謂探偵役は春桜亭円紫という落語家で、「私」が持ち掛ける謎を彼が鮮やかに解いてみせる、という物語です。ジャンルとしては、ミステリーの…

「三省堂国語辞典 第七版 広島東洋カープ仕様」

5月5日のシンボルは鯉のぼり、即ち5月5日はカープの日。 今年3月に広島東洋カープ仕様の「三省堂国語辞典」が発売されました。実は昨年、同じように阪神タイガース仕様のものが発売されており、カープ仕様はそれに続くプロ野球チームの特別版です。 私は大阪…

内田康夫「しまなみ幻想」

年末年始休みに入ったので、愛媛県今治市に帰省しています。 そこで今日は今治を舞台にした小説を取り上げてみたいと思います。 2002年に発表された「しまなみ幻想」。今年の3月に亡くなった作家・内田康夫さんの浅見光彦シリーズのうちの1冊です。 今治と広…

夏目漱石「倫敦塔」

何回か前の投稿で、松尾芭蕉は妄想系旅人だと書きました。<松尾芭蕉、河合曾良(福島市)>それで思い出したのが夏目漱石の「倫敦塔」です。 漱石は1900年から1902年にかけて英国に留学しており、その際に訪れたロンドン塔に着想を得て書かれた短編小説が「…

飛騨俊吾「エンジェルボール」

プロ野球では昨日からクライマックスシリーズのファーストステージが開幕しました。私の贔屓チームである広島東洋カープは、ファーストステージを突破したチームとファイナルステージで対戦し、2年ぶりの日本シリーズ進出を目指します。今年こそは、悲願であ…

エドガー・アラン・ポー「モルグ街の殺人」「黄金虫」

今日10月7日はミステリーの日だそうです。推理小説の祖とされるエドガー・アラン・ポーの命日であることから制定されたようですね。日本なら「黄金虫忌」とでもされたんでしょうか(語呂が悪い)。 調べてみると、ポーが死去したのは1849年、40歳の時だった…