群青色の時間

遥かなるマスター・オブ・ライフ<人生の達人>への道

アーサー・コナン・ドイル「四つの署名」

シャーロック・ホームズ・シリーズは4つの長編と56の短編の計60作から成り、これらは「聖典」と呼ばれています。
大学時代に一通り読んだのですが、子供の頃に児童書等で読んだ作品を別にすれば、長編の「四つの署名」が初めて読んだホームズものです。

「四つの署名」は「緋色の研究」に続くシリーズ2作目です。
今の私なら、1作目から順に読むという選択をしたと思うのですが、その時なぜ「四つの署名」を選んだのかはよく覚えていません。
恐らく、題名が気に入ったのと、最終的にシリーズ全てを読破するつもりは当初なかった、というようなことだったのではないかと思います。
時々やっている文庫フェアのようなもので推されていたのかもしれません。

その時に手にした「四つの署名」は新潮文庫版で、大学の前にある書店で購入しました。
大学の講義の合間等にその書店には入り浸っていて、在学中には(長期休みは別にして)「週刊ベースボール」はほぼ毎週そこで買っていたと記憶しています。

数年前に久し振りにその書店を訪れた際に、角川文庫から「緋色の研究」と「四つの署名」の新訳版が出ているのを見つけ、ホームズ・シリーズの文庫を最初に買った店で同じタイトルを買うのも一興だと思って2冊とも購入しました。
外国文学の翻訳というのは、古い時代の翻訳には語彙等から古い時代の日本の雰囲気も何となく加わっていてそれもまた味があるわけですが、新訳になるとまた違った情景を感じさせてくれます。

そしてつい数日前、大学時代の同級生から、その書店が閉店したという報せを受けました。

ネット販売の波に押され、リアルの書店は年々減少しています。
私の場合、店頭に在庫があってすぐ買えるものは、極力街の店舗で購入するようにしていますが、在庫がない時にはやはりアマゾンで買ってしまいます。
そもそも紙に印刷された本自体が今後は減っていくでしょうから、これからの出版業界がどういう形に変わっていくのかはわかりません。

いやー、でも無責任に勝手なことを言っているのは承知ですけど、書店をうろうろして面白そうなものを衝動買いする楽しみがなくなるのは寂しい限り。
できるだけリアルの店舗で買うようにしたいと思います。

余談ですが、ホームズ・シリーズの聖地、ベイカー・ストリートを訪れた時に撮影したホームズの銅像の写真が行方不明です……。
もう一度撮りに行きたい。

四つの署名 (角川文庫)

四つの署名 (角川文庫)