神ドラマだった「トクサツガガガ」
NHKのドラマ10で放送されていた「トクサツガガガ」が、3月1日に最終回を迎えました。
普段ドラマはあまり観ないんですが、この「トクサツガガガ」は毎週真剣に観ていました。
控えめに言って歴史的傑作ですね。
丹波庭さんの原作漫画のファンとしても、期待を遥かに超える素晴らしい実写化作品でした。
<以下、若干のネタバレがあります>
原作のエピソードを巧みに組み合わせて構成された脚本は見事でした。
劇中劇の「ジュウショウワン」や「エマージェイソン」のシーンも実際の特撮番組と同じクオリティーで驚かされました。
「ラブキュート」の造りが安いのはご愛敬ということで(笑)。
「トクサツガガガ」、馬鹿馬鹿しさとシリアスさのバランス感覚も光った作品でした。
特筆すべきは今作が連続ドラマ初主演だった小芝風花さんの演技力。
モノローグや表情による演技が多く、間の取り方等も難しい役だったと思いますが、見事に主人公の仲村叶を演じられました。
最初は原作より若いイメージだなーと思っていましたが、小芝さんをキャスティングした中の人のナイス判断に全力の拍手を送りたいと思います。
第6話のラストの松下由樹さんとのシーンは震えました。
まだ21歳ということで、これからが本当に楽しみな役者さんですね。
間違いなく、「トクサツガガガ」が出世作と言われることになるでしょう。
今回のドラマは「スキナモノハスキ」がキャッチフレーズでした。
主人公の仲村さんは、母親に特撮番組を見ることを否定されて育った反動で逆に極度の特オタになってしまったわけですが、禁じられると反発心も手伝ってこうなりがちです。
私も子供の頃は、子供であるが故に選択権を与えてもらえない不自由さを常々感じていました。
まあ、経済的に自立していないのだから当然と言えば当然かもしれません。
しかしながら、「大人は子供より知恵があるかもしれないけど、必ずしも公平であるわけではないな」ということに気付き始めてから、自分が大人になるまでの時間があまりにも長いことに絶望感を抱いたものです。
ドラマの最終回で仲村さんは、「好きな気持ちは誰にも奪えない」と確信します。
その一方で、自分も母親の好みを否定していたのかもしれないと気付きます。
知らず知らずのうちに自分以外の人の趣味や嗜好を否定していないか、常に気を配る必要があります。
肝に銘じておきたいと思います。
このドラマ「トクサツガガガ」はNHK名古屋の制作だったわけですが、NHKさんの本気を見せつけられました。
笑って、泣いて、前向きな気持ちになれる、最高のエンターテインメントでした。
感動しすぎて「トクサツガガガ展」を見るために名古屋まで行ってしまいました。
NHKさん、後生ですから続編をお願いします!
NHKドラマ10「トクサツガガガ」オリジナル・サウンドトラック
- アーティスト: 井筒昭雄
- 出版社/メーカー: ONE MUSIC RECORDS
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