群青色の時間

遥かなるマスター・オブ・ライフ<人生の達人>への道

坂本龍馬(高知市)

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高知のランドマークである桂浜の坂本龍馬像を数年ぶりに拝んできました。
桂浜の龍馬像は日本銅像界の四番打者です(独断)。

龍馬の誕生日であり命日でもある11月15日に合わせて約2か月の間、脇に組まれた足場から間近で像を見ることができるという企画が今年も実施されています。

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恐れ多くも龍馬先生の像を同じ高さで拝見し、龍馬先生の像と同じ角度で太平洋の海原を眺めることができるという稀有な機会。
100円を支払って体感しました。

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鳩がどいてくれない(笑)。

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今月は坂本龍馬月間として龍馬関連の記事をいくつか書いてみたいと思います。

<2020年10月撮影>

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~」

【若干のネタバレあり】


ちょっと時間が経ってしまいましたが、「ビブリア古書堂」シリーズの最新刊がこの夏に出版されたので読みました。

このシリーズを読むようになったきっかけは剛力彩芽さん主演のテレビドラマでした。
特に剛力さんのファンというわけでもなかったのですが、本にまつわるミステリーというのが面白そうだと思って観始めたのです。
当時ネット上で、原作好きの人達からこのドラマのキャスティングが結構叩かれていました。
原作の主人公のイメージに合うかどうかという点に限って言えば、まあ賛否の否の声が上がるのもわからなくはありません。
ドラマ放送の時点で原作を読んだことがなかった私は、物語としては面白いと思って観ていました。

この作品はその後、全く違う出演者による実写映画も制作されています。
これは原作を読んでから鑑賞しました。
映画については、原作の面白さを出さないままストーリーが展開しているような作品でした。
原作の話に沿ってはいるものの、なかなかのスピンオフ感です。
個人的にはドラマ版の方が好みですね。
蛇足ながら、この映画の中で不倫をする人物を演じていた男性俳優が、後になってプライベートでも不倫問題で世間を騒がせるという出来事もありました。
そんなリアリティ要らんのよ……。

さて、最新作のタイトルは「ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~」。
栞子と大輔の娘である扉子(扇子と空目してしまうことがある)は高校生になっており、過去に両親が関わった事件の顛末の記録を読むという設定になっています(実際に扉子が読んでいるのは、三部構成になっているうちの1本目と3本目だと思われる)。
我々読者の現実世界である2020年を基準にすると、本書の三分の一は未来の出来事が綴られているパートです。
三部構成の三つ目のエピソードは、高校生の扉子にとっては過去の話ですが、2021年の物語です。

今作では、横溝正史の作品にまつわる事件が描かれています。
横溝は探偵小説である金田一耕助シリーズのイメージが強い作家ですが、今回の「ビブリア古書堂」はミステリーではない横溝作品「雪割草」を巡る話が全体の軸となっています。

私は、横溝正史の作品は昔何冊か読んだことがある程度で、やはりほとんど金田一耕助が主人公のものでした。
大学時代に一作だけ、ミステリーではない横溝の短編を読んだことがあります。
色々な作家の小説がまとめられた全集のような古い本に収録されていました。
大学内の図書館とは別に古い学舎の一角にあった図書室で、数十年は動いているであろう冷房装置がうなっている中で読みました。
あの時、何かの本を探していたのか、講義の合間の暇潰しをしていたのか、そこは覚えていません。
横溝正史の名前に本名の「まさし」という読みのルビが振られていたので、横溝の作家活動の中でも早い時期の作品なのかなと思った記憶があります。
情けないことに、その本や作品自体のタイトルも内容も忘れてしまいました。
昔から本や映画の内容をすぐに忘れてしまうんですよね(汗)。
こうしてブログに書いておけば備忘録にもなるので努めて記録しておきたいと思います。

この「ビブリア古書堂」シリーズは7作目まで書名のサブタイトルが「栞子さんと○○」となっていましたが、前作から「扉子と○○」に変わっています。
次回作以降も、扉子の誕生前、幼少期、高校生期、といったそれぞれの時期の使い分けで物語が描かれていくのでしょうか。
主人公が実質扉子になっていくのか、「ドラゴンボール」で魔人ブウ編から悟飯が主人公になったはずなのに気がついたら結局悟空が主人公やんというような展開に落ち着くのか、そのあたりも楽しみです。

尚、このシリーズは最初からずっとなんですが、明らかな誤字脱字の類が多く、今回もいくつか目につきました。
このレーベルの他の作品を読んだことがないので全体的にこんな風なのかはわかりませんが、少々雑な感じ印象を与えるのが若干残念です。

 

 

カープ三連覇から2年 令和のファンのために

新型コロナウイルス感染拡大で開幕が大幅に遅れ、120試合でレギュラーシーズンが行われているプロ野球は、各チーム残り30試合前後となっています。
油断は禁物ですが、なんとかシーズンを最後まで消化することができそうで、その点はファンとしても安堵しているところです。

パ・リーグソフトバンクとロッテの優勝争いで大いに盛り上がっています。
ロッテが46年ぶりにリーグ戦勝率1位での優勝を成し得るかという点に注目しています。

セは既に巨人の優勝が決定的な情勢ですね。
2位の阪神が昨日時点で貯金3で、下手すると巨人がリーグの貯金を独り占めしかねない勢いです。

さて、2016年から2018年までリーグ三連覇を達成した我がカープですが、昨年に続いて今年もBクラスが濃厚という状況です。
長い長い暗黒時代を経て2016年に25年ぶりの優勝、そこから球団史上初の三連覇。
ファンにとっては夢のような時間でした。

もう死ぬまで優勝できなくても文句は言わないと誓うことができるほどに、むしろもういつ死んでも良いと思うほどに、あの3年間は良い思いをさせてもらいました。
なので、今年Bクラスだろうがそんなことは気にしません。
チームがカープという名前で変わらず広島の街に存在して、当たり前のように試合を観られる日常が続いていくことが、私にとっては何よりも大事なことなんです。

しかし、ここ最近のカープの戦いぶりを見ていて、ちょっと良くない方向に行きつつあるのではないかと懸念しています。
一昨年まで自信にあふれた堂々たるプレーを見せていた選手達が、見る影もなく縮こまってしまっているように見えます。
中継で映るベンチの様子も、雰囲気が良いとは言い難いと思います。

25年ぶりの優勝を目指していた2016年、シーズン中盤以降独走していた時も、「広島の選手は優勝を経験したことがないからいずれ失速する」という声はよく聞かれました。
頼もしいことに最後まで独走でゴールしてくれましたが、勝者の経験やメンタリティというものは得難いもので、それを次の世代に引き継いで維持していくことが常勝チームを作るためには肝要です。
優勝経験者が少なくなるとまた最初から作り直さないといけなくなります。

巨人が2~3年低迷することがあってもすぐに持ち直して強いチームを作れるのは、金満球団だからというのは言うまでもありませんが、勝者のメンタリティが共有され続けているためだと思います。
巨人は自軍の生え抜きでないと監督をさせないという、私に言わせればナンセンスな縛りを勝手に設けている球団ですが、それでも勝てるのは指揮官も必然的に勝者のメンタリティを持っているからというのが一つの要素でしょう。
一方、カープのような長く優勝していなかった球団が自チーム出身者のみを監督に登用しているのは問題だと私は考えていました。
緒方孝市監督で優勝したので、今後も当分この流れで行くんでしょうけど。

「黒田も新井も引退したし、丸はFAで出てったし、勝てなくなるのは仕方ないよね」というようなことではないんです。
今のカープは若い選手も育ってきているので、世代交代も比較的スムーズにできるはずです。
まだ充分に間に合います。
球団として、三連覇の経験という財産をただ失うというわけにはいきません。
平日はガラガラだったマツダスタジアムが、毎試合満員でチケット争奪戦が異常とも言える状況になったのは、チームが勝てるようになったことが最大の要因のはずです。
今は逆指名ドラフト等がなくなったので、平成期ほどの長期に渡る暗黒時代は来ないかもしれませんが、元々資金力が乏しい球団なのだから、今の流れを続けられるよう手を打っていくことは当然必要です。

私は死ぬまで優勝できなくても良いなどと言っていますが、これからカープを応援し始める新しいファンもいることを忘れてはなりません。
2016年に優勝した時に思ったのは、「私にとっては25年ぶりの優勝であっても、平成生まれのカープファンにとっては初めて体験する優勝なんだよなぁ」ということでした。

今となっては暗黒時代を乗り越えて25年ぶりの優勝、しかもカープに帰ってきた黒田と新井が投打の大黒柱となってカープファンの呪縛を開放するという事実があまりにもドラマチックで、優勝が決まった試合は東京ドームで見届けたのですが、立見席(前日に急に休日出勤を命じられて午前中は愛媛で仕事をしていたため完全に出遅れてグラウンドはほとんど見えない場所でしたが)で7回くらいから号泣しながら観戦していました。
でもそんな涙は本当はなくて良いんです。
1991年に優勝した時は、まさかその後25年も優勝できないとは考えてもいませんでした。
たまにしか優勝しないから有難味があるんじゃないのなどと言う人もいますが、そんなの頻繁に優勝する方が良いに決まってるから(笑)。

令和生まれのカープファンにも早い段階で優勝を見せてあげてもらいたいです。

 

 

ヤバイTシャツ屋さん「You need the Tank-top」

大阪発のロックバンド、ヤバイTシャツ屋さんの4枚目のアルバム「You need the Tank-top」がリリースされました。

設定された期間中に予約をすれば特典としてメンバー全員の直筆サイン入りアナザージャケットが添付されるということも話題になりました。
最終的に約4万3千枚(!)のサインを書いたそうです。
転売商品に高値がつかなくなるくらいに書きまくってやろうという心意気。
配信やストリーミングが全盛の時代にCDという形で楽曲を届けたいという思いを強く持っているバンドのようなので、ヤバTらしい企画だったと言えます。

そして4万3千枚のうちの1枚が昨日うちにも届きました。
ヴィレッジヴァンガード版です。

 

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以下、全曲レビューもどきです。
※歌詞の内容と無関係な記述もあります。


01. Give me the Tank-top

  コロナ禍を踏まえて書かれた曲とのことです。
  「何にもしたくない やる気でない なんて言うてましたのに 
  あれやりたい これやりたいが 止まらへんねん 今は」。
  ほんとそれよ。

02. 泡 Our Music

  「Crash it yeah」→「クラシエ」。
  NHKで許されるかぎりぎりの線だけどライナーノーツにはっきり書いてしまってるからどうか(笑)。

03. J.U.S.C.O.

  田舎のイオンモールで知り合いに会う確率の高さは異常。
  他に行くとこないんかいと思うけど、自分も行ってるわけだから相手にもそう思われているはず。

04. 珪藻土マットが僕に教えてくれたこと

  珪藻土マットという語が歌詞に入ってる曲を初めて聴いた。

05. 原付 ~法定速度の範囲で~

  「時速30kmを超えるな これが 俺の精一杯 法律 遵守し 今夜はどこまでもいこうか」。
  これが令和のロックですよ。
  夜で人目がないからって、バイク盗んで走り出したりしちゃいかんですよ。

06. sweet memories

  ゴムが付いた上履きや消しゴムをかじるということは、ガッちゃんの身内ではなさそうですね。

07. はやく返してDVD

  「Blu-rayよりも画質落ちる 今や配信よりも画質が落ちる
  DVDに謎の固執 俺は手元に置く喜びを忘れへん」。
  100%同意します。

08. NO MONEY DANCE

  蟹食べたいのでGo Toしちゃって良いですかね。

09. げんきもりもり! モーリーファンタジー

  この曲、最高に好き(笑)。
  もりもとさんの台詞が良い味出してます。
  ビートルズリンゴ・スター感あるわー。

10. 日本の首都、そこは東京

  「支払いは『Suicaで』 手元にはICOCA」。
  ICOCAもアップルウォッチで使えるようにしていただけませんかね。

11. はたちのうた

  「毎日頑張っているから たまに休んでも大丈夫」。
  周りにこういうこと言ってくれる人がいると救われる。
  みんな頑張ってるんだから弱音吐くな的なことばかり言って追い詰める人いるからね……。

12. 癒着☆NIGHT

  「君はえらい変わってしもうたね そんな感じの子ちゃうかったやない」。
  根本的に変わったのか、元々そういう人だったのが本質を隠さなくなったのか、そのへんがわからない場合は余計怖い。

13. 寿命で死ぬまで

  こやまさんが亡くなったお祖母さんのことを歌った曲。
  しみじみとした余韻を残すラストナンバーです。


いやー、良いですねヤバT。
アホさとカッコ良さの共存ぶりが最高です。
彼らのライブに行ったことはないですが、チケット取れれば見てみたいです。
フェスでも盛り上げられるタイプのバンドだと思います。
フジロックならホワイトステージあたりでやって欲しい。
コアなファン以外も多い状況での空気も楽しいものになりそうです。

 

You need the Tank-top(通常盤) (特典なし)

You need the Tank-top(通常盤) (特典なし)

 

 

大阪スタヂアム跡地

1980年代終盤まで、関西には4つのプロ野球球団がありました。

セントラル・リーグ阪神タイガースパシフィック・リーグの阪急ブレーブス近鉄バファローズ、南海ホークスです。
4球団とも鉄道会社が親会社であるというのが興味深いところです。

パ・リーグは所属する6球団の半分が関西勢だったわけですね。
残りの西武ライオンズロッテオリオンズ日本ハムファイターズは全て関東の球団だったので、関東と関西のチームのみでペナントレースが展開されていたことになります。
その後、南海がダイエーに買収されて福岡へ移転、日本ハムは札幌へ移転し、近鉄オリックスに吸収されて事実上消滅(この一連の出来事は今でもトラウマです)、近鉄に代わって誕生した新球団・東北楽天ゴールデンイーグルスが仙台を本拠地として、現在では全国各地に球団が散らばっています。

私が子供の頃は、プロ野球は関東・関西の2大都市圏プラス名古屋と広島という一部地域の興行というイメージが強いものでした。
ファンのことを考えればフランチャイズの移転は本来あまり好ましいものではないと個人的には思っていますが、80年代末期以降に移転・新規参入した各球団がそれぞれの地域で確固たる人気を獲得していることについては、球団の努力に敬意を表したいところです。
元々が関東・関西に偏りすぎていたとは思うので、結果的に今は非常に良い形になっていると思います。
大阪近鉄バファローズを亡きものにした愚行は絶対に許さんけどね。

昨日、難波方面に用事があったので、久し振りに大阪スタヂアムの跡地に立ち寄ってきました。
一般的には大阪球場と呼ばれることが多かったと思います。
南海ホークスが本拠地としていた球場で、現在は大型商業施設のなんばパークスが建てられています。

かつて大阪球場のピッチャーズプレートとホームプレートがあった場所には、下の写真のようなモニュメントが設置されています。
なんばパークスの2階にあるので、高さは随分違うと思われますが。

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マウンドからホーム方向。

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ホームからマウンド方向。

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ホームプレート側から球場の在りし日に思いを馳せて外野スタンドの方向(下の写真参照)をしばし眺めていましたが、「こいつ何を見てんねん」と不審がられる恐れがあるのでそこそこにしておきました。

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昨日は右翼方向に向かってやや強い風が吹いていたのですが、「左打者にとってはホームラン風だな、門田博光とか当然一発を狙っていっただろうなぁ」、などという妄想も2.8秒くらいの間に集約する特殊能力があるので問題なし。

今や大阪で生まれ育った人でも、かつてここに球場があったということを知らない人も多いのでしょう。
こういうモニュメントがあることにも気づかず行き過ぎる人達ばかりです。
まあ、私のように買い物や食事をするわけでも映画を観るわけでもないのになんばパークスを訪れる人間もそんなに多くはないでしょうけども。

<2020年9月撮影>

 

ヤクルト・小川泰弘、史上82人目のノーヒットノーラン達成!

本日、横浜スタジアムで行われた横浜DeNAベイスターズ東京ヤクルトスワローズの試合で、ヤクルトの小川泰弘投手がノーヒットノーランを達成しました。
NPB史上82人目、93度目の快挙です。

今日夕方に投稿した記事で、沢村栄治が日本プロ野球初のノーヒットノーラン達成者、戦前・戦中最後の達成者が石丸進一、ということを書きましたが、まさかその1時間半ほど後に始まった試合でノーノーが達成されるとは!
いやー、驚きました。

沢村から数えて82人目、93度目ということになるわけですが、つまり1人で複数回達成している人もいるのです。
最初の達成者である沢村が、NPB最多タイの3回達成しています。
戦争がなければ更に回数を増やしていたかもしれません。
沢村と並んで3度達成しているもう1人の投手が、広島東洋カープ外木場義郎です(最初の達成時の球団名称は広島カープ)。
尚、外木場の3回のノーヒットノーランのうち1回は完全試合でした。

3回もノーノーを記録しているというのも凄いことですが、米国球界には更にとんでもない投手がいます。
ノーラン・ライアンMLB史上最多の7度のノーヒットノーランを達成しています。
ちなみに、今日ノーノーを達成した小川はライアンというニックネームでも知られていますが、投球フォームがノーラン・ライアンに似ていることが由来です。
とうとう自身でも大記録を達成したということになりますね。

余談ですが、日本投手では野茂英雄MLBで唯一複数回(2度)のノーヒットノーランを達成しています。

今日、私はテレビで京セラドーム大阪の阪神タイガース広島東洋カープの試合を観ていたのですが、小川が無安打投球を続けていることを知って、横浜スタジアムの試合も途中からDAZNで同時に観ていました。
8回裏のDeNAの攻撃で、先頭の倉本寿彦を四球で歩かせた後、続く中井大介が放った打球は遊撃手・西浦直亨の正面へのゴロ。
難なく併殺で二死走者なしになるはずが、二塁手・廣岡大志が西浦からの送球を落球する失策でまさかのオールセーフに。
山田哲人に代わって二塁を守っていた廣岡は血の気が引いたと思いますが、小川は(放送された映像で見る限り)表情も変えず廣岡に「気にするな」というジェスチャー
見事後続の3人を抑えてピンチを切り抜けました。
廣岡はお詫びに小川に焼肉くらい奢るべきですね(笑)。
それは冗談ですが、観ている側からしても廣岡が救われてほっとしました。

そして最終回。
最後は乙坂智から三振を奪ってノーヒットノーラン達成!!
素晴らしい試合を見せてもらいました。
ヤクルトは主力捕手の中村悠平嶋基宏が負傷で戦線離脱しており厳しい戦いが続きますが、今日小川をリードした西田明央も「やったったわ!」というところでしょう。

小川はここ数年、本人としても不本意な成績が続いていると思っているはずです。
今季はこれで5勝目と好調ですし、今日のマウンドでの姿はやはりエースのそれでした。
まだ30歳、これからも良い投球を期待したいと思います。

小川泰弘メッセージBOOK  ライアン流

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終戦75年 思い出す「最後のキャッチボール」

終戦記念日です。
1945年から今年で75年。
私の世代だと、祖父が実際に戦地に行っていたり、リアルタイムで戦争を経験した人達と関わったことがある方も多いと思います。
それでも太平洋戦争は「歴史上の出来事」という捉え方をしてしまうわけで、これが明治や大正生まれの人とは会ったこともないという世代になると、8月が来るたびに戦争に関するニュースやドキュメンタリーがテレビやネットに流れていることをどういう感覚で受け止めているんだろうと思ったりしています。

カープファンの私は広島を何度となく訪れていることもあってか、特にこの時季になると野球と戦争を結び付けて考えることが多く、野球を観ながら一喜一憂できる平和な世の有り難みをしみじみ感じています。
野球が観られるだけで有り難いんだから、ちょっと連敗したくらいで文句言ったりしてちゃ駄目なんですよね本来は。
まあ私は修行が足りないので、それとこれとは、ということにどうしてもなりますけどね。

近年はカープ球団もピースナイターと銘打った試合を公式戦で実施するなど、広島のチームとして平和の大切さを発信する取り組みを行っています。
チャンスがあればピースナイターも現地で観てみたいものです。

プロ野球選手にも戦死された方が大勢いらっしゃいます。
代表的なところでは、大日本東京野球倶楽部(のち東京巨人軍、現読売ジャイアンツ)のオリジナルメンバーで日本プロ野球黎明期のエースと言って良い沢村栄治大阪タイガース(のち阪神軍、現阪神タイガース)で闘将と呼ばれ投手と打者でそれぞれ複数のタイトルを獲得するなど二刀流でチームの中心選手として活躍した景浦将らがいます。
このあたりの選手は伝説どころか神話レベルの人達というイメージを個人的には持っています。
甲子園球場内にある甲子園歴史館で景浦が実際に使用したバットを見た時は震えました。
京都国立博物館坂本龍馬の佩刀・陸奥守吉行を拝んだ時以来の衝撃でしたね。

戦争で命を落としたプロ野球選手の中に、石丸進一という人物がいます。
フジテレビ系列の「プロ野球ニュース」内で、1990年代のいずれかの年の夏にドキュメンタリーが放送されたと記憶していますが、それが非常に印象的なものでした。
そのドキュメンタリーのタイトルは「最後のキャッチボール」。
同じタイトルで映画にもなっているのですが、それとは違って、番組独自で作ったものだったと思います。

石丸は名古屋軍(現中日ドラゴンズ)で内野手、投手として活躍した選手でした。
先述の沢村栄治は日本プロ野球初のノーヒットノーラン達成者ですが、戦前・戦中のプロ野球で最後にノーヒットノーランを記録したのが石丸でした。

当時は兵役を免れるために学生として大学にも在籍する選手が多かったようで、石丸も日本大学に所属していました。
しかし、戦局の悪化に伴い学徒出陣で石丸も召集され、1945年には神風特別攻撃隊の隊員となります。

出撃を前にして、石丸は同僚とキャッチボールを行い、「これで思い残すことはない」と言い残したと伝えられています。
記録では、石丸は出撃して未帰還、戦果は不明、とされているそうです。
特攻隊の零戦は敵艦に達する前に撃墜されることも多かったようなので、不明というのは確認ができていないという意味でしょう。
いずれにしても命を落としたことは間違いないと思われます。
享年22。

この「最後のキャッチボール」がプロ野球ニュースの中で放送されたのが何年だったのかわかりませんが、野球を選手としてプレーしたりそれをファンとして観たりできるのは当たり前ではないんだということを痛感したことは覚えています。
今日も有り難さを心にとめながら、テレビで野球を楽しみたいと思います。

戦場に散った野球人たち (文春e-book)

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