群青色の時間

遥かなるマスター・オブ・ライフ<人生の達人>への道

長田悠幸、町田一八「SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん 第16巻」

 【ネタバレあり】


SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん」の16巻が先週2月25日にリリースされました。
このブログでも何度も紹介していますが、近年では個人的に一押しの漫画。
脳内に音が聞こえるバンド漫画です。
しかも爆音で。

この16巻で、ついに本田紫織はバンドのメンバーに、ジミ・ヘンドリクスの霊の存在、そして27歳のうちに伝説を残せなければ死ぬという「CROSS ROAD」の契約について打ち明けます。
ジミが完成させた新曲を音楽界の遺産として残すことが自分の使命だと感じた紫織は、自分のバンドSHIORI EXPERIENCEを脱退して渡米し、「CROSS ROAD」の契約者達で組まれたバンドであるThe 27 Clubに加入することを決意したのでした。

ついに来ましたねカミングアウトの時が。
SHIORI EXPERIENCEのメンバーには本心を隠して去ろうとする紫織。
ジミと直接会話する能力を持つ川崎忍の橋渡しで誤解はある程度解けたものの、バンドを作った張本人が急に脱退して別のバンドに加入するということについてメンバー達は納得できるはずもなく……。

紫織の脱退宣言の翌日に行われた、バンドコンテストBTL(Bridge To Legend)の2次審査のライブが、この16巻のクライマックスです。
これまでのバンド活動の様々な場面を織り交ぜながらの演奏シーンの描写は、これぞこの作品の本領と言えるものですが、いつもの大興奮のライブ描写というものではなく、迫力の中から溢れ出てくるやり切れなさと切なさが堰き止められないという新たな体験(EXPERIENCE)でした。
長田先生、町田先生、どれだけ名シーン生み出してくれるんですか。

ということで、この後は待て次巻、となります。
The 27 Clubはこれからどういう進化を見せていくのか?
そして残されたSHIORI EXPERIENCEのメンバーの今後の活動はどうなるのか?
ラストシーンに無言で現れた青島すばる先生、今こそキレ散らかしてSHIORI EXPERIENCEのメンバー(無論紫織含む)を救ってやって下さい……。

あー、17巻が出るまでまた半年も待たないといけないという苦行……。