群青色の時間

遥かなるマスター・オブ・ライフ<人生の達人>への道

秋山好古(愛媛県松山市)

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秋山好古は日本騎兵の父と呼ばれる人物で、海軍に属していた秋山真之の兄に当たります。
この像は「秋山兄弟生誕地」にあり、真之の像と向かい合うように立っています。

帝国陸軍がドイツ方式に倣って強化を進めていた時期に、好古は旧松山藩主である久松家の久松定謨のフランス留学のお伴としての渡欧をオファーされます。
陸軍での出世は断たれたも同然。
好古の胸中はわかりかねますが、フランスに随行することを承諾します。

結果的には、フランス留学中に学んだ合理性の高い騎兵術を帝国陸軍でも評価され、好古は日本騎兵の鍛錬に力を発揮していくこととなります。

戊辰戦争では賊軍だった伊予国の出身の秋山兄弟が、国家の存亡を賭けた日露戦争超大国のロシアを破ることに大きく貢献したというのはとても興味深いことです。
当時の日本軍は、薩長出身者が幅を利かせてはいたでしょうが、能力のある人物が重要なポストに登用されており、それなりに健全な組織だったのだろうと思います。
このあたりが、日本が短期間で近代化できた理由の一つでしょう。

一方で、陸軍でも将来を期待されていたであろう好古を、藩政時代の感覚で家来のようにフランスに連れて行ってしまう旧藩主一家。
四国の片田舎の殿様一族には、まだまだ国家という概念がイメージできていなかったのかもしれません。

かく言う私も愛媛出身ですが(笑)。

<2013年7月撮影>